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ミニクーパーがパンクした時の対処法!緊急時の強い味方『パンク修理キット』の使い方を解説!
今日はMINIのタイヤについて取り上げます。と言っても過去にブログでタイヤについて何回かご紹介していますので、今日は志向を変えてタイヤのパンクついて取り上げてみようと思います。
昔はパンクしたらスペアタイヤへ交換していましたが、今どきは「パンク修理キット」が一般的になってきました。でも実際に使ってみたことのある方、使い方を理解している方は少ないはず。そこで今日は、緊急時の強い味方「パンク修理キット」について解説をしてみたいと思います。
INDEX
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パンクの原因
タイヤは内部に空気を入れて膨らんでいます。タイヤはゴムでできていますから、当然穴が開けば空気が漏れてパンクします。
主なパンクの原因として原因としてあげられるのは、
・釘、金属片、ガラスなど異物によるもの
・縁石への接触等のダメージによるもの
・空気の不足や入れすぎによる空気圧の異常によるもの
・ゴム自体の劣化によるもの
実際、パンクする理由のほとんどが釘やガラス、石など路上に落ちている異物を踏んでしまってのものだと思います。
異物は道路中央よりも路肩付近に落ちているケースが多いので、あまり端に寄りすぎない運転をすることでパンクのリスクは下げられますね。
MINIの純正タイヤはパンクに強い?
さて、ミニのタイヤに「☆」マークが入っているのはご存知でしょうか?
この☆マークですが、BMW(メーカー)指定のタイヤには必ずついています。
さてこのMINI純正タイヤ(BMW指定タイヤ)ですが、特徴としてランフラットタイヤが採用されています(※一部のモデルを除く)。タイヤの側面に「RTF」とか「SSR」と書かれていたりしますが、これがランフラットタイヤであることを表すマークです。
ランフラットタイヤとは
ランフラットタイヤとは、パンクしても走れるタイヤの事で、パンクした後でも時速80kmで約80kmの距離を走行可能な設計になっています。
タイヤのサイドウォールの内側が分厚く作られており、パンクしても潰れない構造になっているため、一時的に走行が可能です。
注意していただきたいのは、パンクしないわけではなく、パンクした状態でも少し走れる、という事。ランフラットでも長時間経過すればペシャンコに潰れて走れなくなってしまいます。あくまで走行中にパンクのトラブルに見舞われた場合に、近くの修理工場まで自走するために設計されています。
ちなみに、輸入車はランフラットタイヤが標準装備されているケースが多いのですが、その理由として海外では路肩に止まっていると強盗に襲われる危険性があるから、との事。日本ではなかなか考えられないような理由ですが、少しでも安全な場所や修理工場まで自走するためにランフラットタイヤを装着しているようです。
このランフラットタイヤですが、緊急時には威力を発揮しますが、重量が増して硬さも出るので、乗り心地や燃費には不利になります。そのためタイヤ交換時点でノーマルタイヤ(ラジアルタイヤ)へ交換するケースが多くあります。
関連ブログ:【これで燃費改善!?】BMWミニの純正タイヤについて
注意!MINIはスペアタイヤが載っていません!
ミニのタイヤ事情をもう一つ。ミニは基本的にスペアタイヤが載っていません。これもモデルにより若干異なりますが、基本的に2010年以降はスペアタイヤが廃止されました。これに伴いジャッキも車載されていません。また、2010年以前のモデルであっても、クーパーSはマフラーの取り回しの関係でスペアタイヤが載りません。
スペアタイヤを積んでいると重量が増して燃費には悪影響です。年々厳しくなる燃費規制もあり、重量を少しでも抑える為スペアタイヤの代わりに採用されたのが「パンク修理キット」という訳ですね。
ちなみに、スペアタイヤが無くて車検は大丈夫なの?と聞かれることがありますが、現在はスペアタイヤの車載義務は無くなっているので、スペアタイヤの有無は車検に影響ありません。
パンク修理キットの使い方
さて、前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、今回の本題であるパンク修理キットについて解説したいと思います。
パンク修理キットはシール剤とコンプレッサーが同封されています。
左:コンプレッサー 右:シール剤
パンク修理キットは、コンプレッサーを使い液状のシール剤をタイヤへ充填すると、シール材が硬化し内側から空いた穴を埋めて、コンプレッサーでタイヤを膨らませるという仕組みです。ちなみに写真の修理キットはクラブマン(F54)の純正品です。モデルや年式により機種が異なりますが使い方はほとんど一緒なので、こちらを使って使用方法を解説してみたいと思います。
では、まずはパンク修理キットがMINIのどこに搭載されているか位置を確認してみましょう。
ミニのパンク修理キットの搭載位置
■第3世代(F系)
・ハッチバック(F56、F55)&コンバーチブル(F57)
トランク下の収納スペースに車載されています。トランクの下のカーペットボードの右端をめくると出てきます。
・クラブマン(F54)&クロスオーバー(F60)
車載のモビリティキットの中に入っています。主にトランクに車載されており、マジックテープで固定されています。
ハッチバックのようにスッポリとはまるスペースがないので、少し収まりが悪いのが難点ですね。
■第2世代(R系)
・ハッチバック(R56)&コンバーチブル(R57)
トランク下の収納スペースに車載されています。カーペットボードをめくると出てきます。
・クラブマン(R55)
パンク修理キットの搭載位置が一番わかりにくいのがクラブマン(R55)。トランクの下側のカーペットをめくると発泡スチロール製の容器が載っているのですが…、
発泡スチロール容器の一番後ろ側、バンパーとの隙間に搭載されています。言われないとここにあると気づかないほど目立ちません。たぶんクラブマンオーナーでも載っていることを知らない方がいるはず(笑)。場所がわかりにくい上に取り出しにくい。
・クロスオーバー(R60)
助手席の下側に車載されています。助手席を一番前へスライドさせ、リアシートの足元から取り出します。
パンク修理キットの使用手順
では、実際にパンク修理キットの使い方を紹介していきます。
キットは新品時ビニールに包まれているので開封し、シール剤の飛び出している部分を差し込むようにコンプレッサーに装着します。
シール剤の上側から出ているホースをタイヤのバルブへつなぎます。
コンプレッサーの電源プラグをシガーソケットへつなぎます。
写真ではフロントのシガーソケットから電源を取っていますが、MINIはトランクルームにもシガーソケットがあるので、リヤタイヤの場合にはトランクから電源を取ることも可能です。
シガーソケットにつないだら車両のイグニッション(又はエンジン)をON。車両の電源が入っていないとコンプレッサーも動きませんのでご注意ください。
そしたらコンプレッサーの電源ボタンをON!
これで、シール剤がタイヤ内部へ充填されます。コンプレッサーの電源を入れたまま待っているとシール剤と一緒に空気も充填されるので、適正な空気圧になるまで待機します。
コンプレッサーの空気圧表示に注目し、約2.5バール(250kps)以上になったら充填は完了です。
なお、シール剤の充填時、一時的に5バール程度まで空気圧表示が上昇しますが、これはシール剤がホースを流れる圧力によるもの。すぐに落ち着くのでこの段階ではコンプレッサーの電源は切らないようしてください。
空気圧が2.5バールまで入ったらパンク修理キットを取り外します。
そしたら、タイヤ内へ充填されたシール剤を均等に分散させるため少し走行させます(取説には10km程度と記載)。この際、速度を出しすぎないようくれぐれも注意してください。
その後、一度車両を安全な場所に停車させ、コンプレッサーのホースをタイヤにつなぎ、空気圧を2バール以上になるよう調整します。この際つなぐホースはコンプレッサー本体から出ているホースです。(シール剤は使い捨て)
・空気圧を上げる場合:コンプレッサーの左側のボタン(電源ボタン)をON
・空気圧を下げる場合:コンプレッサーの右側のボタンをON
空気圧調整が完了したら、ナビの画面上(R系はボードコンピューター上)からタイヤの空気圧警告をリセットします。
これでパンク修理キットでの応急処置は完了です。空気圧警告が出ないか注意しつつ、修理工場等へ移動してください。
なお、最初のシール剤の充填後、しばらく待っても空気圧が2バール以上にならないようであれば、一旦修理キットをタイヤから取り外し、車を10mほど前後に移動させてシール剤をタイヤ内部に分散させます。再度、コンプレッサーを装着し、2バール以上になるまで空気を充填します。もしこれで2バール以上に上がらない場合は、パンク修理はあきらめてレッカーを手配するなど別の方法をとりましょう。
パンク修理キットの注意点
シール剤には使用期限がある
シール剤は使用期限があるので、期限が切れたシール剤は使用不可です。使用期限はシール剤に記載されていますので使用前にチェックしてください。
なお、MINI正規ディーラーであれば車検や定期点検の際に使用期限をチェックし、必要に応じて交換するのですが、一般の整備工場等では見逃される場合も多くあります。中古車で購入したミニや、シール剤を一度も交換した記憶が無いようであれば、一度チェックしてみることをおススメします。
車載されているか確認を
そもそもパンク修理キットが車載されているかどうかはクルマ次第。中古車では欠品しているケースも多くあります。ご自身の車に載っているかどうかは事前に確認が必要です。
前述した通り車検にはスペアタイヤの有無は関係がなく、同じようにパンク修理キットも車検には直接関係がありません。
使用期限と同様に、MINIディーラーであれば点検の際に車載しているかチェックしてくれますが、一般整備工場では車載していない場合もそのままスルーしてしまうようです。
もし載っていない場合はMINIディーラーで購入できますし、カー用品店で市販しているものでも利用可能なので、万が一に備えて手配しておくことをおススメします。
どんなパンクでも修理できるわけではない
パンク修理キットは、4mm以下のトレッド面の傷以外は修理不可とされています。
4mmを超える大きな穴や、裂けるような傷は修理不可。また、サイドウォールなど、トレッド面以外の傷も修理できませんのでご注意を。
タイヤの再使用はできません
パンク修理キットを使用して応急処置したタイヤについては修理や再利用ができません。応急的に修理工場までは自走できますが、その後タイヤは買い替えとなります。応急処置タイヤをそのまま使用し続けることはできませんので、なるべく速やかにタイヤ交換しましょう。
通常、釘などを踏んでパンクした場合、ディーラーやタイヤショップ等では穴を埋めるプラグを埋め込んで修理することが可能です。こちらであれば費用は数千円程度で済みます。
しかし、パンク修理キットを使って応急処置をした場合には、プラグを埋め込む修理ができなくなります。純正タイヤで新品交換となると数万円の出費です。
また、パンク修理キットはネバネバとした液状のシール剤をタイヤ内に流し込んで穴を塞ぐ仕組みです。タイヤ交換する場合もホイールに付着したシール剤は洗い流さないといけないのですが、これがとても大変。交換工賃が余分にかかってしまう場合もあります。
レッカーやロードサービスの利用もおすすめ!
このように、パンク修理キットは必ずしも万能とは言い切れない為、場合によっては使用を控えることも選択肢としてアリだと思います。もし、パンクして動けなくなってしまった場合(パンク修理キットでは対応できない場合)には、ロードサービスの利用もおすすめします。
画像参照:JAF
ロードサービスで一番に思い浮かぶのが『JAF』だと思います。JAFは現場で修理可能なパンクの場合、会員であれば無料でパンク修理をしてもらえます。しかも修理方法はパンク修理キットのようなシール材を利用するものではなく、一般的なガソリンスタンドや修理工場と同じようにプラグを埋め込む方法で対応してもらえます。
万が一、現場でパンク修理不能な場合にも、JAFならレッカー移動してもらえるので、最寄りの修理工場まで運んでもらうこともできますね。ちなみに会員であれば15kmまで無料です。
じゃ、15km以内に修理工場がない場合はどうしたら・・・?という方にはこんな裏技も。
加入している任意保険保険がJAFと提携しているものであれば、JAF会員の無料サービスの範囲が拡大されます。搬送費用は保険会社にもよりますが、数万円~数十万円分の搬送費用が無料に。例えば15万円保証される場合、距離に換算すると約200km!栃木県の那須塩原市~東京都世田谷区まで搬送してもらえちゃいます。
詳しくはこちら:自動車保険加入者への優遇サービス | JAF
パンクした場合には一度JAFを呼んでパンク修理可能か確認してもらい、ダメであればそのままレッカー・搬送をお願いする。これなら余分な費用は最低限に抑えることが可能ですね!
私も実家に帰省する途中の山中で動けなくなってしまったことがあり、JAFと任意保険の合わせ技で数百km運んでもらいました。ロードサービスの利用であれば翌年の保険料(等級)にも影響が出ないので非常に助かったことを覚えています。
最後に
とまぁ、なんだか最後はJAFの宣伝みたいになってしまいましたが、JAFも任意保険も転ばぬ先の杖なので、是非加入することをおすすめしたいと思います。
いざパンクに見舞われると慌ててしまい冷静な判断ができないこともありますが、2次被害を避けるためにもまずは落ち着いて安全な場所へ停車し、適切な方法で対処してください。