MINI ブログ
自動車ジャーナリスト小沢コージが語る、初のEV専用ミニ「新型エースマン」ぶっちゃけどうなの⁉︎
今回はミニ好き自動車ジャーナリスト、小沢コージさんの特別レポート!
新世代ミニの意外なる新戦略とEV専用モデル、MINI ACEMAN(エースマン)のビックリ日本向けっぷりを解説します。
INDEX
2023年末 怒濤のごとくニッポンに入ってきた新世代ミニたち

最初にかつてクロスオーバーと呼ばれた「デカいミニ」こと新型カントリーマンが上陸、24年春にカントリーマンEVとクーパー3ドア、同じく6月に新車種エースマンとクーパー5ドアが上陸して5タイプが出揃いましたが(コンバチは除いてます)、中でもエースマンはナゾめいた存在でした。
そもそもBMWミニは一時期ボディが7タイプ以上あったほど多彩で、中でも今回の新機種エースマンは日本でイマイチ日本販売が奮わないバッテリーEV専用モデル。
それだけに最初はちょっと変わった個性派か?と思いました。
(以前にもペースマンという変わり種3ドアSUVがありましたし。)
ところがエースマンに乗ってビックリ!
サイズ、デザイン、使い勝手共にベストで、実はコイツが日本本命モデルでは?と思えるほどの主役感なのです。
最大の理由は既に本サイトに記されてますが、ボディで全長4mちょい(4080mm)に全幅1.755mはデカすぎず小さすぎずのジャストサイズ!
オマケにデザインもミニらしい!!

今回新たに「クーパー」と名付けられたミニの原点ことハッチバックは3ドアが全長3.8m台。
5ドアが4m3㎝とミニらしさ全開ですが、リアシートやラゲッジは小ぶりですし、かたやデカミニことカントリーマンは旧型より全長が約14cmも伸びてマジでデカい。
もちろん大人4〜5人の家族向けとしては最高なのですが正直、帯に短しタスキに長しで、ミニらしさと使い勝手のバランスを考えるとちょいデカなエースマンが実はベスト。
唯一の難は、マンション住まいでは厳しいBEV専用モデルなところですが、そこも中古車ならば意外な部分でリスクが減るので後半でお伝えいたします。
MINIモデルの中で唯一無二のポジショニング
今回、実際にMINI ACEMAN (エースマン)に乗ってみましたがまずはデザインの良さに納得です。

ご存知クーパー系は伝統の丸目、カントリーマンはエッジの効いた6角形で、どちらもいろいろ光り方が選べる新世代LEDライトですが、エースマンはカントリーマンに比べほどよくキャラクター性のある5角形。
ちょいツリ目気味でミニらしさと新しさのバランスがちょうどイイ。

フロントノーズも低すぎず高すぎずでこれまたちょうどイイ。
比べるとカントリーマンはサイズもさることながらフォルムがガチSUVで可愛いけど太めに見えます。
しかしエースマンはギリギリSUVっぽいちょい高フォルムでミニらしさが強い。
さらに全高1.5m強なので立体駐車場の使用も可能なのです。

加え乗り降りや居住性ですがリアシートのサイズはさすがにカントリーマンに敵いませんが、身長175cmの小沢がフロントに乗った状態でリアに座ると、ヒザ前にコブシが1個半は入りますし、シート高もちょうどイイ。
比べるとハッチバックのクーパー系は全高1.4m台で着座位置も低く、より深く腰を屈める必要があります。
エースマンは広さと同時にSUVとしてのメリットも享受できるのです。
ラゲッジ容量もクーパー3ドアが210Lなのに対し、エースマンは300Lとほぼ1.5倍ですし荷室長さも45cmに60cmとかなり違います。
カントリーマンには敵いませんが、なんとかファミリーユースにも耐えられるでしょう。

最後に当然ながら良いのは走りです。
ざっくり従来モデルを引き継ぐクーパー3ドアやカントリーマンと比べるとちょうどその中間のノーズの軽さとクイックさを持っており、さらにどちらかというとハッチに近いのです。
まずドライバー視点から言うと、クーパーほどの地べたに座るような低さはなく、それでいて見下ろすようなカントリーマンの高さもなく、適度な見下ろし感。
まあ、伝統的なミニの価値観でいうとミニクーパーがベストですがエースマンもまあまあ。
ボンネットの高さも適度で見易いです。
操舵時のノーズの軽さも、SUVとしてみるとカントリーマンも十分キレありますが、エースマンに軍配が上がります。
ミニらしいキビキビ感を求める人ならば、SUVとはいえエースマンぐらいの軽さが欲しいところ。
動力性能で言うと、今回乗ったのは大容量バッテリーに大出力モーターのエースマンSEで最大出力218ps、最大トルク330Nmと十分以上。
モード航続距離も406kmと十分で、車重1.7トン強のボディを静かで滑らかにパワフルに走らせてくれます。
足回りもミニらしくキビキビ硬めで、これなら本格多人数キャンプはともかく、街乗りから遠出までファミリーユースに幅広く使える出来でしょう。
エースマンを買うなら絶対に中古!
最後に侮れないのが中古車としてEVを買った時の意外なメリット。
新車で買うとエースマンEが513万円〜、SEが562万円〜と車両価格だけでもなかなかですが、今ミニの中古車専門店イールさんで買うと、1年落ちのSEが400万円前後、Sが300万円前後と結構な手軽さ。
この安さがいつまで続くか保証はできませんが、事実上ほぼ補助金含みの金額であり気楽に売買する事ができます。

それどころかぶっちゃけ言うと、近年新車はガソリン車を含め全般に値落ちが激しく、買ったとたんの100万円落ちは当たり前。
実は新古車が一番お買得ともいえ、中でもEVはその傾向が強いのです。
つまりミニエースマン買うなら絶対に中古車!
加え新車のエースマンの場合、現在65万円のCEV補助金(他都道府県分もあり)こそ貰えますが、原則として4年間の保有が義務付けられており、早期売却する場合は未保有分を返却しなければならないのです。
つまりEVを買ってはみたけど「意外と充電に手間取った」「自分の使い方では航続距離が足りない」「やはりディーゼルのカントリーマンのが良かった」と思っても簡単には買換えできないのです。
その点、中古エースマンならいわゆる補助金以上の値引き分が最初から含まれているので気楽に買えて気楽に売れます。
ただでさえ安い上に、いつでも売れる!
まさにメリットだらけの商材が中古EVなのです。
いろんな意味でミニエースマンを買うなら程度極上の中古車。
EV嫌いはともかく、ベストチョイスの新世代ミニと言っていいでしょう。

Writer’s Profile

小沢コージ
青山学院大学を卒業、本田技術研究所に入社。その後、二玄社『NAVI』編集部を経て、1993年フリーの自動車ジャーナリストに。現在日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。新聞・一般誌に連載または寄稿多数。 TBSラジオのレギュラー番組「週刊自動車批評 小沢コージのCARグルメ」では高い聴取率を誇り、自身のYoutubeチャンネル「Kozzi TV」では毎回旬なクルマやテーマを取り上げて人気を博し、「ベストカー」「MONOMAX」(宝島社)「ゲンダイDIGITAL」「webCG」「日経クロストレンド」などにも連載中。著書は『クルマ界のすごい12人』(新潮社)、『国産車の愛し方』『力説!自動車』(ともに小学館)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社刊)ほか。