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【小ささと使い勝手のイイトコ取り!】R55MINIクラブマン&F55MINI5ドアハッチバックを徹底比較!
ミニと言えば3ドアハッチバックのイメージが根強いと思います。2ドア(+トランク)のコンパクトなボディと、キビキビとした独自の操作感は、ローバー時代から変わらない世界観で人気を集めています。
しかし近年、自動車には居住性や使い勝手が求められる傾向で、ミニもご多分に漏れず大柄な派生モデルが沢山登場しています。
そんな中で、コンパクトカーとしてのサイズと使い勝手を両立しているのが、フルモデルチェンジ前のクラブマン(R55)と現行型5ドアハッチバック(F55)の2モデル。ちなみにフルモデルチェンジ後の新型クラブマン(F54)がかなり大型化した為、クラブマン(R55)と直接比較する方はあまりいらっしゃいません。
そんな訳で今回は、R55/クラブマン(以下、クラブマン)とF55/5ドアハッチバック(以下、5ドア)に焦点を当て、2台を比較してみたいと思います。
クラブマンと5ドアの位置付け
クラブマンと5ドア。どちらも3ドアハッチバックをベースにボディをストレッチしてドアを追加し、後部座席やトランクを広くしたモデルです。
世代が異なるのでそのまま比較が難しいのですが、R55型は第2世代、F55は第3世代となります。
そしてややこしいのがモデルコード。第2世代がR系、第3世代がF系として識別されていますが、クラブマンと5ドア、どちらも55というモデルコードで混在しやすく、5ドアが発表された当初はF55というモデルコードから「R55クラブマンの後継か?」とウワサされるほどでした。
モデル | 第2世代モデルコード | 第3世代モデルコード |
---|---|---|
3ドア | R56 | F56 |
5ドア | – | F55 |
クラブマン | R55 | F54 |
クロスオーバー | R60 | F60 |
ボディサイズを比較
モデル | 全長 | 全幅 | 全高 | トランク容量 |
---|---|---|---|---|
クラブマン / R55 | 3980mm | 1685mm | 1440mm | 260L(930L) |
5ドア / F55 | 4000mm | 1725mm | 1445mm | 278L(941L) |
※全てクーパー、()内は後部座席を倒した場合の容量
ボディの全長は5ドアの方が長く4mとなりました。と言ってもクラブマンに比べ2cmしか変わりません。また、5ドア全幅が1,700mmを越えて3ナンバーとなっていますが、全幅の差も片側2センチだけ。日常のドライブで体感できるほどの大きな違いではないかと思います(それでもMINIは5ナンバーじゃなきゃ認めない!と言う方もいらっしゃいますw)。
注目したいのはトランク容量。5ドアのほうは容量は18L広くなっています。しかし、5ドアのトランクは斜めに傾斜しておりどうしてもデットスペースが出来てしまいます。
これに対し、直線的なクラブマンのトランクは天井付近まで目一杯詰め込めます。また、クラブマンのトランク下にはスペアタイヤを積載するスペースが設けられていますが、後期型になるとランフラットタイヤが標準となり、軽量化もあってスペアタイヤが載りません。なのでこのスペースがそのまま空いているので、普段使わないようなものをしまっておく事も可能です。
このようにカタログ数値だけでは分かりにくいですが、実用性を含めた積載性能はクラブマンが優れていると言えます。
居住性や使い勝手は?
ボディサイズこそあまり変わらない2台ですが、実際の使い勝手では結構差が出てきます。
クラブマンは2ドア+右側クラブドアで、後部座席へはクラブドアを開けてアクセスします。クラブドアを開けた状態はBピラーが無いので非常に広く、チャイルドシートに子供を乗せる際などは重宝します。ですが運転席側にあるクラブドアは、日本だと道路側に面しているので路肩での乗り降りにはご注意下さい。
また、前ドアを開けてからでないとクラブドアは開けられないので、運転席の方が一度降りてから後部座席に乗り降りする必要があります。(前席のプルバック機能があるので助手席からも乗り降りは可能です)
その点、後部座席に独立したドアがある5ドアモデルは乗り降りのしやすさでは明らかに使い勝手に優れており、特に後部のドアは小さく短いので、狭い駐車場では重宝します。
また、クラブマンが4人乗りなのに対し、5ドアは5人まで乗車が可能です。と言っても後部座席の真ん中はセンターコンソールを跨ぐ形で乗ることになるので、あくまで緊急時用ぐらいに思っていた方がいいかと思います。
MINIらしいドライブフィールは健在!?
ミニの走りを語る上で欠かせないのが、キビキビとしたドライブフィール。どちらのモデルもホイールベースが長い分だけ少し安定方向ですが、ダイレクトなハンドリングやステアフィールはそのまま健在です。
ですが、操る楽しさと言う意味では、R55クラブマンに軍配が上がります。車の挙動がよりダイレクトに感じられ、MT設定もあるクラブマンは操る楽しさを存分に感じられるかと思います。
一方、F55はMTの設定が無く、スポーツグレードのJCWも設定されておらず、MINIの中では完全に実用車の立ち位置と言えます。ただし、自動車としての質感(高級感や乗り心地)はF系になってUPしており、車としての完成度は間違いなく5ドアの方が上と言えます。
また、エンジンはR55クラブマンが1.6Lの4気筒エンジンなのに対して、5ドアはクーパーS以外は3気筒のダウンサイジングターボエンジンとなりました。
燃費やパワーこそ5ドアが勝っていますが、どうしてもエンジン音に「ゴロゴロ」とした雑味が出てしまい、エンジンを回したときの気持ちよさはクラブマンの方が優れています。
最後に
と言うわけで総括すると、
『ワゴンスタイルの積載性能と走りにこだわるのであればクラブマン』
『実用性や快適性を優先するなら5ドア』
と言えそうです。
2014年で生産終了となったR55型クラブマン。程度のいい中古車は年々減ってきています。逆に2014年の10月から登場した5ドアは、中古車としてもこなれてきたように感じますが、クラブマンに比べるとまだ少し車両価格は高めです。しかし、5ドアはバックカメラやPDC、ドライビングアシストといった運転支援のオプション装備が揃っているケースが多いのも魅力です。
ちなみに2018年8月18日現在、iRで在庫している中古車は、クラブマン(R55)が11台、5ドア(F55)が3台となっています。選択肢が多いのもクラブマンの魅力ですね。
個人的にはワゴンボディのスタイルや走り味が好きなのでクラブマンをオススメしていますが、用途やライフスタイルに合わせて選んで頂けたらと思います。