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【AT限定でもOKなの?】ローバーミニのミッション事情を徹底解説!
ローバーミニの購入を検討中の方で、AT限定免許という方はどの位いるでしょうか?
「古いクルマはMTが主流でAT限定じゃ乗れないのでは?」と思っているそこのあなた!!ローバーミニはATも設定されていますのでご安心ください。ちなみに日本でATが普及し始めるより前の1960年代からミニのATは存在しています。
やはりAT限定免許は近年増加傾向にあって、平成28年時点で新規免許取得者のAT限定の割合は約6割となっているそうです。年々増加傾向にあるみたいですので、いずれMT免許所有者がマイノリティになるかもしれませんね。
そんな訳で今日は、AT限定免許でもミニを楽しみたい!と言う方のために、ミニのトランスミッションについて取り上げたいと思います。
目 次
ローバーミニのトランスミッションの特徴
トランスミッション(変速機)とは、エンジンの駆動力(回転数)を速度に応じてタイヤに伝える為の機構です。一般的なクルマの場合、エンジンとトランスミッションが独立していて、それぞれに”エンジンオイル”と”ミッションオイル”という硬さ(粘度)や成分の違ったオイルを使用します。
ですがローバーミニの場合、小さなボディにエンジンを積み込むため、エンジンとトランスミッションが上下につながった構造(2階建て構造)になっています。更にエンジンオイルだけでトランスミッションも一緒に潤滑をしているので、他のクルマ以上にエンジンオイルに掛かる負担が大きくなっており、オイル交換のサイクルが早いという特徴があります。
ローバーミニのATとMTの違い
では、ATとMTでどんな違いがあるか見ていきましょう。
一番分かりやすいのがカタログ上のスペックの違いです。エンジン性能と車両重量が異なり、走行性能にそのまま違いが現れます。
ミッション | 4AT | 4MT |
---|---|---|
車両重量 | 740kg | 720kg |
馬力 | 53ps/5000rpm | 62ps/5700rpm |
トルク | 9.3kgm/2600rpm | 9.6kgm/3900rpm |
ミニのキビキビとした走りの良さをより一層楽しみたいのであれば、軽くてパワーも勝るMTをオススメします。でも、ATが全然非力かと言えばそんな事はありません。スペックだけ見たら現代の一般的な軽自動車と同等(車重はむしろ軽いぐらい)なので、普段街乗りする程度であれば、非力さを感じるシーンはほとんど無いといえます。
燃費の違いは?
ミッション | 4AT | 4MT |
---|---|---|
燃費 | 9.7km/l | 14.5km/l |
設計の古いクルマだけあって、カタログ燃費はMTが大きく勝っています。ですが、実走行だとここまでの差が出にくく、世田谷近辺の街乗りで『ATで8~9km/l』、『MTで11~12km/l』といった感じです。
また、高速道路だと更に差が出にくく、ATとMTはどちらも4速100km/hで巡航するとエンジン回転数は約3,500回転ぐらいになります。ギヤ比がほとんど同じなので、巡航した際の燃費は同じような数字となります(燃費・振動・音・安全を考えると80~90km/hぐらいの速度がオススメ)。
ちなみに余談ですが、並行輸入の「ラストミニ」はギア比の違いから100㎞/hで走行しても約2,800回転ぐらいで巡航できちゃうので燃費にも優れています!
ATが壊れるってホント?
何故か『AT=壊れる』というイメージを持たれているローバーミニ。確かに基本設計が古く、部品点数も多いので、MTに比べるとデリケートであることは事実です。
しかし一番の問題は、ミニの事をよく知らない一般の中古車販売店やヤフ◯クなどの個人売買で既に壊れ始めてる(壊れてる)ミニを買ってしまっている人が多いということです。定期的に専門店で点検され、消耗品の交換やオイル交換のサイクルもきちんと守って大切に扱われていたローバーミニであれば決して壊れやすいものではありません。
ATを長持ちさせるポイント
- オイル交換(3,000km又は半年に1回どちらか早いタイミング)
- 暖機運転
- 丁寧な操作
ミッションもエンジンオイルで潤滑しているローバーミニは、オイルの負担が大きいので、オイル交換はマメに行う必要があります。エレメント(フィルター)はオイル交換2回に1回でOK。
出発前の暖機運転もコンディションを維持する為には必須です。特にATは暖機をしないで走り出すと、直ぐにATが滑って変速しずらい症状が出始めます。こんなことを続けていれば壊れてしまうのも容易に想像できます。
一般の中古車販売店の中には、ローバーミニにあまり詳しくないまま販売しているお店もあるので、上記のようなオイル交換や暖気運転の説明をされないまま買ってしまい、直ぐに壊れて泣きを見るケースもあるようです。
丁寧な操作と聞いて、「ATなら操作も何も無いじゃん!」と思うかもしれませんが、ミニはシフトゲートがほぼ直線で並び、ロック機構も無いため、簡単にDレンジからRレンジまでシフトチェンジが出来てしまいます。車が前進している状態のままいきなりバックギヤに入れてしまう(入ってしまう)と、即故障の原因になります。
また、R⇒1や、1⇒RといったNレンジを跨ぐシフトチェンジをする際は必ずNでギヤが抜けたことを確認してからシフトチェンジを行って下さい(Nレンジで一呼吸入れて下さい)。
雑にガチャガチャと操作していると、ギヤが入りにくくなったり、最悪は発進すら出来なくなります。
なお、MTはATに比べて構造がシンプルな分、壊れにくいのですが、エンジンオイルに負担が掛かるのはATと同じです。オイル交換と暖機運転、丁寧な操作はMTも必須ですので、大切なミニの為に必ず行って頂くようお願いします!
中古車市場ではMTが人気だが、iRではATが人気!
現在国内で流通しているローバーミニのほとんどが正規輸入されたディーラー車です。特にミニクーパーが復活した90年代初頭から大幅に販売台数が増え、それと同時に誰でも気軽に乗れるATの販売比率が高くなった事により相対的にMT車が減りました。またMT車に乗っている方は改造をする人が多く、なかにはオリジナル状態から大きくバランスを崩すような改造をされてしまっている場合もあるため、その後の流通に乗らずに廃車になってしまう個体が多いということも一つの理由です。
そういった事情から同じようなコンディションのミニでも、ATに比べMTは20万~50万円程度高い価格で取引されていました。
しかしこの傾向も近年変化が見られています。2018年7月現在カーセンサーに掲載されているATとMTのローバーミニの中古車の割合がほぼ半々となっています。
この背景として生産中止から20年近くが経ち、きちんと走れるコンディションのローバーミニがどんどん減っており、特に壊れた場合の修理代が高額になりやすいATが廃車にされやすく、結果生き残ったMTとATの数が半々となったと言えそうです。このままだとATが更に減って、比率が逆転するかもしれませんね。
ちなみにiRで販売しているローバーミニはMT比率が高くなっていますが、これは女性や若い方にATが人気で、ATの方が先に売れていくので、残ったMTで比率が高くなっているだけです。決してATコンディションの問題ではありません。繰り返しになりますが、きちんと定期点検していればATも直ぐに壊れるわけではありませんのでご安心を!
希少なMTのローバーミニ新着情報!
今週(2018年7月13日時点)、iRでは3台のMTローバーミニの入庫予定!在庫掲載よりも一足早く、新着車両情報をお届けします♪
ローバーミニ40thアニバーサリーLTD M/T
body:アイランドブルー
roof:アイランドブルー
1999年式 走行距離39,000km
¥3,250,000(税込)
ローバー ラスト・ミニ クーパー M/T
body:サーフブルー
roof:ホワイト
2000年式 走行距離48,000km
¥1,780,000(税込)
ローバーミニ35thアニバーサリーLTD M/T
body:アーモンドグリーン
roof:ホワイト
1996年式 走行距離66,000km
¥1,480,000(税込)
最後に
動力性能こそMTに及ばないATですが、ミニらしいハンドリングや取り回しの良さは健在です!両手でハンドル操作に集中できるので、ノンパワステに慣れていない方も安心です。都内の渋滞ストレスを考えるとATも全然ありだと思います。MT原理主義者の声に惑わされず、ご自身のライフスタイルに合ったモデルを選んで頂けたらと思います。
おまけ
先日のブログで紹介した雑誌「ENGINE」の取材ですが、2018年6月26日に発売されました~!
なんと6ページも特集されております!!ちなみにメインで紹介されたポールスミス(ブルーとホワイト)はどちらも売約済みとなっております。(O様、K様、ご成約ありがとうございました!)
ENGINE 8月号は絶賛発売中ですので、まだ読んでいない方は是非書店で手に取ってみてください♪