MINI ブログ
現れた光度6400cdの壁?
イールメーカースの若林です。
突然ですが平成27年9月1日より車検時のヘッドライトの検査方法が変わりました。
どこが変更されたかと言いますと、それまでは走行用前照灯(以下ハイビーム)で測定していたのを、9月1日から平成10年9月1日以降の製造車はすれ違い用前照灯(以下ロービーム)での測定になったのです。
元々平成10年9月1日以降の製造車(二輪、大特以外)は、ロービームでの測定が規定されていたのですが、当時の検査場や民間車検工場のヘッドライトテスターがすれ違い用前照灯の光度や照射光線の向きの検査に対応していなかったのと、対象車の保有率が低かったことから、当面はハイビームでの検査で保安基準への適合性を判定しても良いという事で、今年の8月31日までは製造年の縛り無く、どの車両でも実質ハイビームでの検査でOKだったのです。
一見ローバーミニは無関係のように思われるでしょうが、実は大いに関係があるのです。
ローバーミニのように製造年を証明する書類などが無いクルマは、車検証の初度登録年月で判断されるのです。つまり、同じ1997年以降のローバーミニでも初度登録年月が平成10年8月までのミニは、今までどおりハイビームで測定となり、平成10年9月以降のミニは、特にロービームでの測定を前提に製造された訳でもないのに、ロービームでの測定となるのです。
下の画像の2台のミニ車検証の初度登録年月に違いにより、ヘッドライトは同じなのに別の測定方法になるのです!(左はポールスミス、右は40th)
ヘッドライトの検査方法が違うため、アフターパーツでカットオフラインが曖昧だったり出ないヘッドライトを装着している場合、同じヘッドライトを装着していても平成10年9月以降の場合は不合格になる事が予想されます。安価なHIDも要注意です! 街でよく見かける黄ばんだ樹脂製のヘッドライトは交換が必要になりそうですね!! ちなみに下の画像の左上がりの光の線がカットオフラインです。
メーカースのヘッドライトテスターは旧式ですが一応すれ違い用前照灯(ロービーム)測定可能です。早速入庫中の対象車3台を測定確認したところ、3台ともハイビームは基準の光度15000cdは全く問題ありませんでしたが、ロービームは基準の光度6400cdに届かず全滅状態! とりあえず3台ともヘッドライトのバルブを交換し基準クリアーとなりましたが、ヘッドライト内部反射鏡の劣化によるくすみも見逃せません。
今回の検査方法変更の実施は、15年以上使用しているヘッドライト本体の劣化を再認識させてくれました。実際メーカースご利用のお客様は、ハイビームよりロービームで運転している時間の方が長いと思います。ハイビーム側よりロービーム側の方が劣化しているのは当然ですよね!