MINI BLOG

2014.11.13公開 / 2014.11.13更新

ヘッドライトの進化

武藤サムネ画像

 

今春に発表された新型ミニ(F56)から採用された【LEDヘッドライト】

日本人のノーベル物理学賞受賞でも話題になったLEDですが、その仕組みってどうなってるの?他のライトとなにが違うの?と意外とその違いを正しく認識できていない方も少なくないはず。

そこで今回は、これまでMINIが採用してきたヘッドライトの歴史と種類、またそれらのメリット・デメリットについてまとめてみました。

 

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ライトの種類 \ 年式(MINIモデル)2001y~(R50,52,53)2007y~(R56,55,57,58,59.60,61)2014y~(F56,55)
ハロゲンライト
キセノンライト×
LEDライト××

 

○・・・標準装備

◎・・・オプション装備、及びクーパーS標準装備

×・・・設定なし

 

【ハロゲンライト】

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いわゆる一般的なヘッドライト。MINIでは全モデルのone、cooperに標準装備されている。

フィラメントを発光させる白熱電球に、ハロゲンガスを注入することでフィラメントの白熱温度を上げ、白熱電球よりも明るく発光させることが可能。

 

“メリット”

・ヘッドライトとしての歴史が長く、最も普及しておりコストが低くパーツも豊富。

・電球自体が発熱する為、ヘッドライトに付着した雪を融かし降雪時の視界確保に効果的

 

“デメリット”

・フィラメントの消耗により玉切れを起こす

・キセノンライト・LEDライトに比べ輝度が低い 

・黄色っぽい光で夜間の視認性が悪い(個人差あり)

 

【キセノンライト】

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ガラス管に水銀やガスを充満させ、そこに電気を流し電子と金属原子を衝突させることで起こるアーク放電により発光させるライト。白熱電球やハロゲンライトのようにフィラメントがないため長寿命・高効率。HID(High Intensity Discharge)、ディスチャージドランプ、高輝度放電ランプなどと呼ばれることもある。MINIではR50~R61までのR系モデルのオプション装備、及びクーパーSの標準装備として設定されている。

 

“メリット”

・ハロゲンランプに比べて明るさは2~3倍と高輝度。白い光が暗闇での視認性に優れている

・フィラメントが無い為、ほとんど玉切れが無い。寿命はハロゲンライトの4~5倍。

・高効率で発熱量が少ない為、熱で変形・劣化しうる樹脂レンズの使用が可能

 

“デメリット”

・取付けする為に、バラストやコンデンサといった調整機材の装備が必要であり高額になる

・関連部品が多い為、故障した場合の修理費用が高い

・立ち上がりが遅く、輝度が安定するまで時間がかかる

・点灯時には高電圧を必要とするためバッテリーへの負担が大きい 

・6600k(ケルビン)を超える色温度の場合、青みが強くなり車検に対応していないものもある

 

【LEDライト】

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Light Emitting Diodeの略で、電気を流すことで発光する半導体(発光ダイオード)を光源とする。キセノンライト同様、フィラメントは無く長寿命、高効率。現状ではコストが高い為、一部の高級車や、消費電力の少なさを活かしハイブリッドカーへの採用が主流。MINIではF56、F55のオプション装備、及びクーパーSの標準装備として設定されている。

 

“メリット”

・白い光で高輝度。暗闇での視認性に優れている(HID同等もしくは多少劣る程度)

・消費電力が少なくバッテリーへの負担が少ない

・フィラメントが無い為、ほとんど玉切れが無い。寿命はハロゲンライトの10倍

・関連部品が少なく小さい為、省スペースで取付け可能

・低温度でも安定した輝度を保つ

・最高輝度まで瞬時に立ち上がる

・高効率で発熱量が少なく、更に小型で軽量の為デザインの自由度が高い

・紫外線をほとんど含まない光の為、虫が寄ってきにくい

 

“デメリット”

・部品代・故障した場合の修理費用など、とにかくコストが高い

・高熱に弱い

 

 

【10年後はLEDヘッドライトが常識になる?】

まだまだLEDヘッドライトの歴史は浅く、一般車輌への採用はもう少し先になると言われている中、MINIはコンパクトカー部門の先陣を切り、プレミアムコンパクトとしての位置付けがより明確になりました。

ハロゲン・キセノン・LED、それぞれメリット・デメリットは有りますが、新しい技術の発展やこれからの低価格化を視野に入れ、LEDヘッドライトの更なる進化に期待したいところです。思い描く10年後の未来は実現するのでしょうか?