MINI ブログ
下回りでよく擦る場所
定期点検や車検のご入庫時に、追加で「下回りを擦ってしまったから見ておいて!」というご依頼を頂くことがよくあります。
上の画像は純正エキゾーストシステム車の下回りを前から後ろに向かって見たものです。
よく擦りがちな箇所を上手に?擦っているミニが入庫しましたので前側から順番に紹介していきます。
フロントパイプの蛇腹部。
この部分はエンジンがトルクで前後に動いても追従できるように金属の蛇腹になっています。
当然この部分に穴が開き排気漏れを起こしますと交換が必要になりますが、画像の状態では機能上問題なくそのままでも大丈夫でした。
フロントパイプと触媒の接続部。
画像のミニは大丈夫でしたが、この部分が原因で要修理になる場合が一番多いと思います。
擦り方が悪く接続フランジ部を引っ掛けてしまうと、フロントパイプが後方に引っ張られてフロントパイプとエキゾーストマニホールド接続部のガスケットから排気漏れを起こすことが多く、フロントパイプ自体が変形したり前出の金属蛇腹部が破損したりする事もよくあり、更に衝撃が大きいと触媒内部の損傷を引き起こす事も考えられます。
触媒とリヤマフラーの接続部。
この部分も擦り方が悪く接続フランジ部を引っ掛けてしまうと、前出のフロントパイプと触媒の接続部の場合と同様の事態が起こりますが、こちらも画像の状態なら問題なく大丈夫です。
リヤマフラーのサブサイレンサー前側。
こちらも擦り方が悪いとリヤマフラーやフロントパイプを損傷させることがあります。
またリヤマフラーのメインサイレンサー部でも同様です。
結局このミニは前から後ろまで満遍なく擦っているのですが、幸運にもエキゾーストシステムの変形も排気漏れもなく、各部が少し削れて相手の色が付着しているだけで機能上問題はありませんでした。
では何故こんなに擦ってしまったのでしょうか? 原因は皆様のご想像通り車高が低すぎるからです。
上の画像は同じミニの左リヤサスペンションのラバーコーンスプリングとストラットの様子です。
ラバーコーンスプリングとストラットの接続が外れているのが分かりますか?
これはラバーコーンスプリングの経年劣化でスプリング長が短くなってしまい、相対的にショックアブソーバーのストロークがサスペンションの可動量よりも長くなり、車体が跳ねる等のサスペンションが伸びた時にラバーコーンスプリングとストラットの接続が外れてしまったのです。
意図的に低くしたのでは無く、勝手にというか自然に低くなってしまったのです! こうなる前に車高調整キットを装着したり、ラバーコーンスプリングの交換が必要なのは広く知られているところです。
ところでラバーコーンスプリング交換の目安ですが、使用年数や使用走行距離で表すのは難しく、今回のミニは2万㎞も走っていないことからいって、走行テストや目視での判断に頼るしかないようです。