超 オーバーフロー

単車も走行距離が１２万㎞近くになると､ 色々な事が起きるものです。 

今思えば最初は 「燃費が微妙に悪くなったような？」 程度でした。

調子も良かったので 「野蛮なアクセルワークが原因かな？」 なんて思っていたのですが、

実は気のせいでは無く、故障の始まりだったのです。

何と無く普通に走っているのだから、取り敢えずもう少し様子を見る事にし、いつも通り

使用していると或る事に気付いたのです。

数日空けてエンジンを始動させた時に限り、始動直後の排気ガスがいつもよりガソリン 

臭い！　オーバーフロー！？　しかし始動性は良いぞ！！

それから一週間後、とうとう走りに影響を及ぼす症状が出始めました。

朝、走り始めは良いのですが、ＭＡＫＥＲＳ に近づくにつれ調子が悪くなるのです。

３０００回転位で巡航しているとボコついてきて、次第にスロットルに対してエンジンの

ツキが悪くなり始め如何にもカブっている感じになり、ＭＡＫERS に着く頃は虫の息。

仕事を終えてからプラグを点検するとやはりカブっていました。

プラグは以前交換してから然程経っていないので洗浄して再装着。

エンジンを始動してみると・・・なんと絶好調 ♪　　当たり前か！

しかし原因を解明していないので一時的な復活なのも、当たり前！！

その日は夜も遅く時間と気力が無かった為そのまま乗って帰ったのですが、意外や意外

道がガラガラだったせいで何事も無く普通に帰宅できてしまいました。明日が楽しみです。

翌朝いつも通りにエンジン始動＆発進！　なんか感じが昨日の朝に似ています。

期待通りに？ ＭＡＫＥＲＳ 近づくにつれ調子が悪くなってきました。しかも昨日より悪い！

例によって ＭＡＫＥＲＳ 夜の部の始まりです。

作業前に一先ずエンジンを始動してみようと、スターターボタンに掛けた親指に力を入れ

た瞬間　カキン！と聞きたくない音を発しウンともスンとも回りませんでした。

思わず指を離し嫌な汗が流れるのを感じつつもう一度トライ！　やっぱり カキン！！

どうやらエンジンが何等かの障害で回転できないようです。

手掛かりを求めてプラグを外すと１、２番のプラグがびしょ濡れではありませんか！

そしてプラグホールから中の様子を伺うと ？？？？　何と１番シリンダーがガソリン

の海に！　こっこれは、ウォーターハンマーならぬガソリンハンマー！？　やばい！！

我に返りプラグを外す為に取り外したガソリンタンクに眼をやると、閉まっている筈の

フューエルコックから少しずつガソリンが漏れているではありませんか。コックは交換

するとして、しかしこの位ならキャブレターのニードルバルブで止まる筈、という事は

ニードルバルブも密着不良で要交換か？　

ZRX1100にはキャブレターフロート室にブリーダーチューブがないので、オーバー

フローしたガソリンは全て燃焼室へ。　

※余りに焦ってしまいここまで写真が全く無いのです・・・

早速キャブレターを外しニードルバルブを見ると教科書どおりの段付き摩耗！

ついでにアチコチ点検したくなってバキュームバルブを外したのが運の尽き！！

実はラバー製のダイヤフラムがすっかり伸びきっていたらしく、元通りに収まらなく

なってしまったのです。　外さなければまだ使えたのに・・・実はコイツが結構高い！

↑　今回交換した部品です。

一番上がバキュームバルブ、その下の四角く細いゴムがフロートチャンバパッキン、

その内側の小さい部品がニードルバルブ、一番下のデカイのがフューエルコック。

この他にガソリンが溶け込んだだろうエンジンオイルとフィルターも交換し、勿論

MOTUL ケアシステム （コイツは効きます♪） も合わせて実施しまた。

※ 錆びていてくたびれた感じなので、

　 パワーフィルターのバンドも交換

   すればよかった。(次回は必ず！)

修理後はおかげ様で絶好調 ♪  心配していたエンジン本体のダメージも無く、正確には

感じられずかな？　パワー＆トルク感、吹け上がり、そして高回転での伸び全て良く、更

に燃費もグーンと良くなり、ZRX１１００！まだまだずーと走り続けられそうです。

やはり燃費の変化は侮れませんでした！　おかしいな？と感じたら早めの点検が肝心です。　

基本的に自然治癒は無いのですから。