MINI ブログ
ミニの樹脂パーツの傷は自分で直せる!?DIYリペアの救世主現る!
BMWミニは、樹脂パーツを各所に使用しています。接触しやすいボディ外装の四隅に使用されていることが多いので、いつの間にか傷が!?なんて事ありませんか?
ボディの塗装面なら傷隠し用のコンパウンドを使って消す(薄くする)ことが出来ますが、樹脂パーツってなかなかそうもいかないんですよね。
以前、樹脂パーツの白化対策について記事を書きましたが、今回は樹脂パーツに傷を付けちゃった時の対処方法のお話をします。
INDEX
樹脂パーツを使用する理由
樹脂パーツは、擦りやすかったり傷の付きやすい箇所に使用されることが多く、万が一の時も交換すれば簡易的かつ安価で修理ができます。ボディカラーに合わせた塗装もせずに済むので、補修(板金塗装)歴は無しになり、売却時の査定評価に影響しないというメリットもあります。
近年、国産車でもボディに樹脂パーツを使用する車種が増えてきました。
特にSUVタイプで採用されていることが多いようで、ラグジュアリーSUVでありながらも、昔のRV車を匂わせる様なあえてチープさを演出する「ドレスダウン」を意識したデザインになっている様です。
ちなみに、ミニはクラシックミニの時代から樹脂パーツを使用していたので、その点に関しては先駆者ですね!
発砲ウレタンやPU(ポリウレタン)を使用していた頃の従来のバンパー作成は、コストが高く、重量があり、性質上造形にも限界があり、角張ったデザインしか形成できなかった様です。(昔の自動車が全体的に四角かったのはそのためかもしれません)
そういった欠点を補う素材として登場したのが、PP(ポリプロピレン)です。
PPは軽くて、成形性に優れていて、素材が安い!と良い所ばかり。また、粘り強く丈夫なためそのままバンパーとして使用できるのも採用が増えた要因です。
その反面デメリットもあり、経年劣化で白っぽくなってしまう現象(白化)が起きます。
過去に白化対策の記事がございますので、白化対策でお困りの方はこちらをご覧ください!
それでは、ここから樹脂を傷つけてしまった時の対処法をお話ししていきます。
対処方法1 交換
傷つけてしまった樹脂パーツは新品パーツに交換すれば確実で簡単です。
綺麗に元通りですし、経年劣化で白化したものも新品の「美しい黒」に戻ります。
でも気になるのは交換費用ですよね。ここでは純正樹脂パーツの交換費用をパーツごとにお知らせします!
モデル・年式により金額差はありますが、今回は第2世代ミニ3ドアハッチバック(R56)の価格(工賃•税込)です。
参考にしてください!
オーバーフェンダー
幅寄せすぎて擦っちゃう部分で、各タイヤの上にあるアーチ型の樹脂です。
交換費用
¥24,200-/片側(パーツ代、工賃込)
ちなみに、フロントフェンダー1パネルを板金塗装した場合、¥55,000-/片側、リアフェンダーは1パネル板金塗装した場合、¥65,000-/片側、隣り合わせているパネルも使用し境目が分かりづらくするボカシを行うと¥35,000-以上追加費用が発生します。
フロントバンパースポイラー
コンビニに入る時や、駐車場に前から駐車した時に輪止めに擦っちゃう部分で、フロントバンパー下部にある右から左まで1本で繋がった大きなパーツです。
交換費用
¥32,890-(パーツ代、工賃込)
スポイラーが樹脂でない場合、バンパーと同色で一体となっているため、バンパー板金塗装は¥85,000-ほど掛かります。
リアバンパースポイラー
バックした時に、ブロックとかに擦っちゃう部分で、リアバンパー下部にある右から左に1本で繋がった大きなパーツです。
交換費用
¥33,440-(パーツ代、工賃込)
リアバンパーもフロントバンパーと同じく全体塗装が必要となった場合、¥77,000-ほど費用が発生します。
ドアシルカバー ロア
いつの間にか擦っちゃってるけど、そんな記憶はございませんの部分で、運転席ドア下部にあるフロントフェンダーからリアフェンダーにかけて付いている大きなパーツです。
交換費用
¥47,850-/片側(パーツ代、工賃込)
国産車ですとロッカーパネルと呼ばれてもいますが、チッピング塗装という特殊な塗装を施されている事もあり、板金塗装すると¥115,000-の費用が発生してしまいます。
注)上記の樹脂交換は、ディーラーでの交換価格ですが、各樹脂の裏面にはクリップなどが使われていて、クリップの再使用ができたりすると価格が変わる事があります。
注)板金費用は板金屋さんにより価格が多少変わるかと思いますが、平均的な価格で掲載しています。
対処方法2 DIYリペア 自分でなんとかする
今回のブログでメインとなる内容が自分塗装です。
塗装作業にはいくつかの道具が必要になりますが、まず、最初に紹介したいのがラバースプレーです!
名前だけでも覚えていってください!
普通のラッカースプレーだと光沢が出てしまい、さらに厚塗りしてしまった場合はタレやすい・・・
そんな時に今回ご紹介するラバースプレーを使ってみてください!
ラバースプレーはツヤ無しの黒色でスプレー塗装でき、樹脂の雰囲気に近く結構イイ感じになるんです!
また、失敗した場合でもしっかり乾かせば手で剥がせてやり直しができるので、はじめての方もチャレンジしやすいです。
手順1 バリを取る
擦ってしまった部分に、ささくれのようなバリがある時は、先に除去しましょう。
後の工程で傷を研磨して除去していくのですが、自力で研磨する場合は最初にバリを除去しておいた方が、全体の作業が楽になります。
バリの除去は、ステッカーを剥がしたりするスクレーパーを使用すると楽ですが、スクレーパーを持っている常備しているご家庭は少ないと思うので、ここはカッターを代役にしても良いです!
スクレーパーは、ホームセンターなどで500円くらいで購入できます。
手順2 養生テープでマスキング
養生テープでマスキングをします。
樹脂を削っていく工程で、ボディを傷付けてしまうと元も子もないので、余計な部分を傷つけないよう保護しておきます。
養生テープでの保護は、2重3重と重ねておくと、よりボディを傷付けにくくなるので、しっかりマスキングしましょう!
もし、養生テープが無い時は、布テープで代用できます。
養生テープもホームセンターで売っています。200円〜300円で購入できます。
手順3 研磨する
まずは、耐水ペーパーを用意します。耐水ペーパーとはいわゆる紙ヤスリです。
傷の一番深い部分まで削り、平らにするために使用します。
普通の紙ヤスリでも良いのですが、削られた細かい樹脂が飛んで鼻や口から吸ってしまう恐れがあるので、水を使い飛散しにくくした際にも破れずに使用し続けられる頑丈な紙やすりが「耐水ペーパー」です。作業中マスクを付けていれば、なお良しです。
使用する耐水ペーパーには、ヤスリの粗さを表す番手という番号が付いて、傷の状況や好みによって用意する番手が分かれてきます。
今回私が用意した番手は、120番・300番・600番・800番・1000番・1500番・2000番です。
傷が深い時は120番からスタートしますが、まずは300番を使って削り始めて、削るのに時間が掛かりそうと思ったら120番に落として一気に削り、しっかり平らにしてから番手を上げて(粗さを抑えて)樹脂の表面を整えていきます。
ラバースプレーの粒子はラッカースプレーの粒子より大きいので、傷を削った面をツルツルにする必要はなく、800番で終わらせても問題ありませんが、初めての作業で不安な場合は1000番・1500番まで進めても良いかもしれません。
耐水ペーパーは、5枚セットで150円〜購入できます!
この研磨作業は、今回のDIYにおいて肝の部分で、ここの仕上がりが最終仕上がりを左右する運命の分かれ道となります。
削る方法は、「自力」か「電動」かの方法がございます。
「自力」で頑張って削る人はコチラ
腕っ節一本で削っていく人は握りやすいサイズの木材を用意しましょう。
耐水ペーパーを適当な大きさに切って木材に当てると力が入れやすく、また平面に仕上げやすくなります。後は表面を見ながら番手を徐々に上げひたすら削っていくだけです。
「電動工具」で一気に仕上げたい人はコチラ
オススメなのはオービタルサンダーです。
購入したメーカーによっては、オービタルサンダー専用の大きさにカットされているペーパーが売っている事があるので、都度カットする必要がなくなります。
研磨できる面積も広いので、樹脂パーツ以外のボディを削ってしまわないようにくれぐれも注意しましょう。
あとは傷がわからなくなるまで、ひたすら削ります!
オービタルサンダーはホームセンターなどで、¥4,000くらいから購入できます。
清掃
しっかり研磨を終えると、マジかよ・・・。ってくらい樹脂の粉まみれになります。
清掃後はしっかり水気を無くしてからパーツクリーナーやシリコンオフで脱脂しましょう。
塗装用にマスキング
塗装したくない部分を、マスキングテープでマスキングしますが、今回のマスキング手順は私好みですので人によってはもっとやり易い方法があると思います。
塗装部分の縁からマスキングしていきます
幅広のマスキングテープを筒状にし、両面テープの作成をします
こんな感じで粘着面を外側にして、塗装部分の少し外側にくっつけます
ビニール付きマスキングテープで
大部分を覆います
最初に縁取りしたマスキングと筒状マスキングの間をハサミでカット
もう一度縁取りマスキングを行うと簡単に大部分に塗料がつかないようにできます
塗装部分の縁はマスキングテープを使用しますが、他の部分はビニール付きのマスキングテープを使用したり、新聞紙を使用しても大丈夫です!
もし、際(キワ)のマスキングが上手く出来ない時は、諦めても大丈夫です。
少しくらいボディに塗料がついても、ラバースプレーならしっかり乾かせば、指で擦って剥がせます。
塗装する
再度脱脂をして、いよいよ塗装に取りかかります。
塗装で気をつけるのは、少しずつ何度も重ね塗りをしてスプレーがタレないようにする事です。
短時間に多くスプレーをしてしまうと塗料がタレてきてしまい、折角準備したのにマスキングと脱脂からやり直しになります。
では、塗装のインターバルはどのくらい時間を開ければ良いのか?
タレないように、塗料がしっかり乾いてから次のスプレーをすれば大丈夫!と思いがちですが、それはNG。
完全に乾かしてしまうと、塗料内のシンナーが完全に抜けきってしまい、先に吹いた塗料と次に吹いた塗料が馴染まなくなってしまいます。
1回目の塗装が完了したら表面の光沢(艶)が無くなるまで待って、2回目の塗装を行うことにより塗料が馴染みバサバサ感が無くなり綺麗に仕上がるようになります!
樹脂の形状によっては、窪んでいたり、出っ張りがあり、平面ではない部分に塗料が多く溜まりがちなので気をつけてください!
補修後
削り込みが足りなかったため、ラバースプレーを吹きかけても薄く傷が残ってしまいました。
しっかり研磨すれば傷はそこそこ消えますが、研磨しすぎると樹脂特有の表面のシボ(小さいブツブツ)はツルツルに消えてしまいます。
シボが無くなっても傷が消えた方が良いと思うので、気合い入れて削りましょう!
今回、樹脂リペアをやってみて思ったのは、オービタルサンダーを買った方が良いです。自力研磨は地獄を見ます・・・
BEFORE→AFTER
ラバースプレー前と後を比較しました。ごまかしなしのアップで撮影し、未塗装の方はタイヤワックスで艶をだしてみました。
直にしっかり見ると少しだけ違和感がありますが、パッと見ほとんど差が分かりません。
※今回DIYに使用した傷のついた樹脂パーツは廃棄予定のパーツを使用しており、登場した車両の該当箇所は新品パーツに交換してあります
まとめ
1番安い箇所のパーツ交換でも20,000円以上なので、DIYだとオービタルサンダーを買っても15,000円くらいで済みます。
道具がひと通り揃えば、次も自分でリペア出来るのでコストはさらに抑えられますね!
作業好きの私は、傷の補修も含め愛車に手を掛けたい派なのですが、やっぱり時間と体力を使います。
先にも書きましたが、交換が1番楽なんです。そして仕上がりのクオリティは新品パーツ交換には勝てません・・・
それでも、自分で直すことにより、愛車にさらに愛着が湧き大切に乗り続ける事に繋がるのではないかと思います!
まあ、傷つけないのが1番なんですけどね。
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