MINI BLOG
2019.08.23公開 / 2020.03.10更新
【増税前の準備はお済ですか?】消費税10%目前!でも増税後は取得税が廃止⁉ミニの中古車は増税の前と後、どっちがお得か解説します!
今年(2019年)の10月から消費税が8%から10%へアップします。
高額商品の自動車を売っている立場からするとただ事ではないのですが、自動車業界全体的に5%から8%に増税された時ほどの駆け込みは起きていないようです。
その背景として、自動車関連の税制度が改正され、取得税の廃止や自動車税の減額など、増税後の購入でも大きな負担増加にならないのではないか?との見方があるようです。
そこで今日は、10月の消費増税の前と後で、どっちがお得にミニを購入できるか、ミニ中古車専門店の目線で解説してみようと思います。
※このブログは、2019年8月時点の内容です
目 次
自動車を購入する際にかかる税金
まず最初に、クルマを購入する際にかかる税金について整理してみましょう。
■自動車取得税
自動車を購入する際に支払う税金です。『取得税=取得価額(課税標準基準額×残価率)×3%』という計算があてはめられるのですが、複雑なので詳しくは割愛します。
なお、取得価額が50万円以下の場合は0円なのですが、MINIの場合、モデルやグレードにもよりますが初年度登録から4~5年目までのクルマが課税されます。
大雑把な計算だと新車から1年落ちで5~7万円位、3年落ちで2~3万円位の金額になります。
■自動車税
車両を保有している間は年に1回、4月1日時点の所有者が支払う税金です。
中古車の場合は、購入月から次の3月までを月割りで支払います。
■重量税
その名の通り、車両重量によって支払う税金です。車検の際に支払うため、新車の場合は3年分、車検が切れている中古車を購入する場合は2年を支払います。
車検が残っている中古車を買う場合は、購入時の支払はありません。
関連ブログ:【MINI中古車購入サポート】販売価格と総額って違うの!?わかりずらい諸経費について徹底解説!
このように、日本は世界でも稀にみる自動車関係の税金が複雑で多額の税金を支払う国です。自動車ユーザーが負担している自動車関係諸税の税収は、国の租税総収入の1割近くにあたる8兆3,000億円にものぼります(JAF参照)。
元々自動車を取り巻く税金のあり方については議論されていましたが、この度の消費増税にあわせて自動車関連の税金についても見直しが行われることになりました。
消費増税後は自動車税が安くなる
2019年10月1日以降の税制改正に伴い、自家用の自動車税の税率が引き下げられます。
自動車税の金額は以下の通りです。
排気量 | 引下げ前の税率 | 引下げ後の税率(引下げ額) |
---|---|---|
1,000cc以下 | 29,500円 | 25,000円(-4,500円) |
1,000cc超 1,500cc以下 | 34,500円 | 30,500円(-4,000円) |
1,500cc超 2,000cc以下 | 39,500円 | 36,000円(-3,500円) |
2,000cc超 2,500cc以下 | 45,000円 | 43,500円(-1,500円) |
2,500cc超 3,000cc以下 | 51,000円 | 50,000円(-1,000円) |
3,000cc超 3,500cc以下 | 58,000円 | 57,000円(-1,000円) |
3,500cc超 4,000cc以下 | 66,500円 | 65,500円(-1,000円) |
4,000cc超 4,500cc以下 | 76,500円 | 75,500円(-1,000円) |
4,500cc超 6,000cc以下 | 88,000円 | 87,000円(-1,000円) |
6,000cc超 | 111,000円 | 110,000円(-1,000円) |
MINIもグレードによっては最大4,000円の引き下げとなりますが、注意していただきたいのは2019年10月1日以降に初回新規登録(※)を受けた車両から適用されるという事。つまり、それ以前の車両は元の税額のまま変わりません。
2019年10月1日以降に登録された車両が中古車市場に出回るまで、まだまだ時間がかかります。
なので、中古車の購入を検討している方が、自動車税が安くなる影響を直ぐに受けられる訳ではありませんのでご注意下さい。
※初回新規登録 ・・・ 新車が陸運局での名義登録される事。登録されると、自動車登録番号標(ナンバープレート)、車検証、検査標章(車検ステッカー)が交付されます。要は新車登録です。
取得税が廃止される!だけど・・・
2019年10月の消費税8%から10%引き上げに伴い、自動車取得税が廃止されます。
もともと消費税と自動車取得税は「同じような性質の税金を2重課税しているのではないか」
との批判的な意見が多く、10月の税制改正にあわせて取得税が廃止されることになりました。
従来の自動車取得税の金額は、モデルやグレードにもよりますがMINIの場合、1年落ちで5~6万ぐらい、3年落ちで2~3万円ぐらいが課税されていました。
これがなくなるなんて最高じゃん!と思いたいところですが、残念ながら取得税に代わる『環境性能割』という新たな税金が生まれました・・・。
◆環境性能割
環境性能割とは、現行の「自動車取得税」に変わり導入される新税です。
クルマの購入時に課税され、中古車の購入時にも課税される点は現行の自動車取得税と変化ありません。税率については、燃費に優れ環境にやさしいクルマの方が優遇されるように設定されています。
■改正前(自家用・乗用車)
右記以外 | 2015年度燃費基準 | 2020年度燃費基準 | EV等 | ||
+10% | 達成 | +10% | +20% | ||
3% | 2% | 1% | 非課税 |
↓↓↓↓↓
■改正後(自家用・乗用車)
右記以外 | 2015年度燃費基準 | 2020年度燃費基準 | EV等 | ||
+10% | 達成 | +10% | +20% | ||
3% | 3% | 2% | 1% | 非課税 |
※2019年10月1日~2020年9月30日までは税率1%軽減
環境性能割の特徴として、燃費性能の良いクルマは税負担が軽くなり、燃費性能の悪いクルマは税負担が重くなるといった特徴を持ちます。
また、消費税増税による駆け込み需要および反動減抑止の目的で、2019年10月から1年間に限って、税率が一律1%軽減される特例が設けられます。
つまり、改正後1年間の間に環境にやさしいクルマを購入すれば、その分大きな優遇を受けられるという事ですが、エコカー以外は税率が上がっており負担が増えることになります。
なお、現行の取得税も新車から5年過ぎると課税されませんので、5年経過した中古車であれば影響はありません。
結局お得になるのは・・・?
では、消費増税前と後では、どちらがお得になるのでしょうか?
単純に今回の税制改正の話だけするのであれば、「環境性能割」導入後1年以内にエコカーを購入することが一番恩恵を受けられるお得な買い方ともいえそうです。
ですが、中古車販売店の立場から言わせて頂くと、今回の税制改正による減税部分は中古車を購入する方にとってあまり恩恵を受けられるものでは無いようです。
- 取得税3%が廃止されるが、ほぼ同等の環境性能割が課される
- 自動車税の減額改定は中古車に直ぐに反映されない(2019年10月1日以降の登録車が対象)
このように税制改正に伴う影響は中古車の場合はほとんどないと無く、単純に消費増税分の2%がそのまま負担として乗っかってきちゃうようです!
300万円の車両を購入する場合、2%増税されたら6万円です!
迷っているうちに10月を迎えて余分な出費をしないで済むように、出来るだけ早めに購入を検討する事を強くおすすめしたいと思います!
ご注意下さい!消費税10%は納車日から適応されちゃいます!!
さて、10月の消費増税前に購入した方が絶対的にお得だとお伝えしましたが、購入するタイミングに注意が必要です。
「一般社団法人 自動車公正取引協議会」によると、税率10%が適用される取引とは・・・、
『売上計上日(※)が10月1日以降となる取引』
※売上計上日とは、「課税資産の式渡しの日として合理的であると認められる日」のうち、「事情社が継続して資産の譲渡を行ったこととしている日」(取得税、法人税の収入金額を計上すべき時期と同様の取り扱い)
↓↓↓↓↓
■当店の売上計上日として適用している日 ⇒「納車日」
つまり当社の場合、納車日が売上計上日となるため、9月中に車両購入を決めた(成約した)としても、納車が10月以降になってしまうと新税率(10%)が適用されてしまうことになります。
通常、ご成約から納車までは2~3週間ぐらいかかりますので、あまりギリギリになって駆け込んでも8%の税率が適用されない可能性がありますのでご注意下さい!
最後に
個人的な見解としては、今回の税制改正は消費増税の重税感から目をそらすための改正で、実際の税負担が減るのは一部の車種に限られます。
日本の自動車を取り巻く税制については、世界的にも負担が高すぎるようですので、今後はもう少し是正を求めたいものです。
ミニもクーパーSEや、クーパーDなど、燃費に優れるモデルを新車で購入すれば恩恵があると思います。
ですが、ミニは燃費ばかりを気にして乗るよりも、ライフスタイルに合わせてモデル選択していただいた方が絶対楽しいし、結果的に満足できると思います。
また、古いクルマばかりに重税を掛ける税制度も何とかしてもらいたいものです。
ローバーミニに関して言えば、自動車税(13年経過)と重量税(18年経過)が重税加算されています。
ヨーロッパではHナンバーという制度があり、古いクルマほど税金優遇が受けられるなど、クラシックカーを大切に残していこうという取り組みがなされています。
ですが、日本の場合自動車メーカーが新車を売りやすくなるような税制度となっています。
このような税制度に対して、JAFでは意見募集も行っていますので、思う事がある人はぜひとも声を上げて頂きたいと思います。
※このブログは、2019年8月時点の内容です