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2021.04.22公開 / 2021.05.12更新

あなたのミニは大丈夫?!来年に迫ったETC問題への対策とミニ純正ルームミラー一体型ETCでの確認方法!

普段、皆様が高速道路の利用料金を支払う際に何気なく使用しているETC。

装着されているのが当たり前となっており、当店で在庫しているミニの中古車のほとんどに装着されていているETCですが、来年の2022年には使用できなくなる?!なんて話が話題になっているのはご存知ですか?

 

今回は、そんな話し初めて聞いたよって方はもちろん、聞いたことはあっても実際どうなるのかというところまで調べてられていない方へ、目前となった2022年問題とその先にもある2030年問題についてしっかり説明していきたいと思います。

 

2022年12月、目の前まで迫った2022年問題とは…

まずは、冒頭でもお話しした今回のテーマでもある2022年問題について解説します。

 

国土交通省、ITSサービス高度化機構、高速道路6社から電波法関連法令の改正により、2022年12月1日以降に一部のETC車載器が使用出来なくなることを、2018年9月に発表しました。理由は電波法の改正の影響です。

 

電波法関連法令の改正により、一部のETC車載器は2022年12月1日以降ご使用できなくなります。

詳細は「総務省電波利用ホームページ」をご参照下さい。

  1. ご使用できなくなるETC車載器
  • 平成19年以前の技術基準適合証明・工事設計認証(旧スプリアス認証)を受け、製造されたETC車載器
  • 対象となるETC車載器については、車載器メーカーや自動車メーカー各社のホームページをご参照ください。
  1. よくあるご質問

※スプリアス規格・・・必要周波数帯の外側に発射される不要な電波の強度の許容値に関する規格

国土交通省ウェブサイトより

 

ETCは電波によって車に設置された端末から必要な情報を無線通信で飛ばし、キャッシュレスの支払い、スムーズな高速道路への出入りを可能にするシステムとなっているので、電波法に準ずる必要があり、今回問題となっているのが「スプリアス」の存在です。

 

聞き馴染みのない言葉でしたので、調べたところ、無線設備において必要周波数帯の外側に発射される不要電波の一種だそうです。

この不要電波の発射は、電波障害の原因となるため電波法により発射強度の許容値が規定されているとのことでした。

その許容値の改正が行われた為に、許容値以上のスプリアスが発射されるETCは電波法に違反する為、使用が出来なくなるということです。

 

そんなの急に言われても困るなんて思う方もいると思いますが、実はすで現行の許容値は2年の経過措置期間を経て、

2007年12月1日から許容値が全面適用されておりましたが、混乱を避ける為に該当のETCでも使用できるように期間を延長して猶予期間が設けられました。

その猶予期間が、今回の2022年11月30日までとなっていたので、その猶予期間が終了する2022年12月1日から使用出来なくなるとなっているのです。

 

上記でも説明した通り、2007年の12月には全面適用されているので、今回使用できなくなるETC端末は「2007年以前の技術基準適合証明・工事設計認証(旧スプリアス認証)を受け製造されたETC車載器」が該当となります。

その為、該当するETC端末を使用しているお車はごく一部となっており、また該当のETCをお使いの場合に2022年12月1日からゲートが上がらなくなったりするなど使用が一切出来なくなるという訳ではないようです。

 

ただし、電波法という法律に準じて使用が禁止されるので、使用はもちろんですが、該当のETCを電波が発生する状態で車載しているのが発覚した場合は、電波法違反として罰せられてしまいます。以下が厳罰内容となります。

●1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(不法設置・運用のみ)

●5年以下の懲役又は250万円以下の罰金(公共性の高い無線局に妨害を与えた場合)

 

以上のことを考えると、お持ちの車の初度登録が2007年以前だったり、購入時期が2007年前後の場合は、ご自身の車載されているETCが該当しているか確認しておいて損はないでしょう。

 

なお、確認方法としては、ETC本体や説明書、保証書などの記載で確認するなどの目で見える確認方法はなく、各メーカーのホームページや直接問い合わせをする必要があります。

 

ちなみに、BMWミニが第二世代へのフルモデルチェンジが行われた年でもありますので、第二世代の前期に乗っている方は該当する可能性がありますので要注意です。

 

2022年問題よりももっと大規模?迫る2030年問題について

実は、このETC問題は2022年だけじゃないんです。2022年問題よりももっと多くのETCが使えなくなる可能性のある、2030年問題もしっかりと解説していきます。おそらく、こちらの方が重要なのではと、私は思っています。

 

前述にもある通り、2022年問題は電波法の改正の影響で一部のETCが使用禁止となりますが、2030年問題はセキュリティ規格の変更の影響です。

2017年10月に国土交通省およびITSサービス高度化機構、高速道路会社6社は、昨今の情報機器の能力向上に伴うセキュリティ脅威の増大への備えとしてセキュリティ機能を向上させる為の新セキュリティ規格への変更を遅くとも2030年までにすることを発表しています。

この、セキュリティ規格とは、国土交通省が定めるETC(料金所・車載器・カード)について、盗聴や改ざん等の不正防止を目的に定められた情報安全確保の規格のことをいいます。

 

2030年ってあと、9年先のことを今言われてもだいぶ先の未来の話だなーって思いますが、ここで注目するべき点は、遅くとも2030年にはというところになります。

今のところ、現状のセキュリティ規格で問題が発生していない為、最長で2030年とされていますが、もし今後セキュリティに問題が発生した場合は、2030年よりも早い段階で使えなくなってしまう可能性があるということです。

 

いつも使用していたETCが突然使えなくなり、現金支払いの料金所には長い長い渋滞が……。

まぁ、これはだいぶ大袈裟なお話で、急に明日から使えなくなりますなんてことは考えにくいです。

ただ、猶予期間が設けられるとはいえ、旧セキュリティ規格の場合、常に自身のETC内の個人情報が危険にさらされていることになりますので、考えただけでも恐ろしいですよね。

 

いつ早まり、どのような対応になるかわかりませんので、その時が来たら自分は該当するのかしないのかを事前に調べておくことをお勧めします。

こちらは、ご自身でも簡単に確認が出来ますので、調べ方もしっかりと解説致します。時間を見つけてしっかりと確認しておきましょう。

 

2030年に現在使用しているETCが使用可能か?確認すべき箇所を解説

国土交通省のウェブサイトより画像を引用させていただき、確認方法を解説します。

 

新セキュリティの識別の方法は車載器管理番号で確認する方法と端末の識別マークから確認する方法の2パターンがあります。

取扱説明書などをお持ちであれば、車載器管理番号記載されておりますので、19桁の始まりの番号が「0」なのか「1」なのかを確認しましょう。

「0」の場合、旧セキュリティ規格となり使用できなくなり、「1」の場合は新セキュリティ規格となりますので、今後も使用いただけます。

また、説明書などがない場合は、カードを入れる端末を確認いただき、お写真のような「●●●」のマークの有無を確認してください。

もし、どちらを見てもわからない場合には、メーカーに問い合わせをして確認しましょう。

 

引用:国土交通省

 

また、BMWミニの第三世代から導入されているルームミラー一体型ETCでの確認方法もご紹介します。

 

こちらは、ETCカードを挿入口からETCカード以外の硬いカード(免許証やTポイントカードなど)を入れ、約1秒後に取り出します。

すると、ミラー上部の画面がしばらく点灯し続け、約18秒後に数字が表示されます。

確認方法を動画にしましたので、こちらもご覧ください。

 

以上の方法でご案内した車載器番号の確認をすることができます。

なお、19桁の車載器番号の他に型式登録番号というものもがあり、最初に4桁の型式登録番号が表示され、2番目に表示された5桁の番号から車載器番号となりますので、2番目に表示された番号の一番最初の数字を確認するようにしてください。

 

ちなみにこちらは、「0」から始まっていますので、旧セキュリティ規格のものになっております。

では、この様に該当していた時の対処法を紹介します。

 

該当していた場合の対処方法

もし、旧セキュリティ規格のETCを使用していた場合、変更が行われた際には対処する必要性があります。

国土交通省のHPを確認すると、「旧セキュリティ製品を新セキュリティに対応させることはできません」と記載がありましたので、現在お使いのETCを今後も使用出来るように、新セキュリティへの更新などの対処は出来ず、新セキュリティ規格の端末へ付け替える必要があるということになります。

 

また、国土交通省ウェブサイトのQ&Aに以下の項目がありました。

Q,セキュリティ規格の変更に対応しないで、従来セキュリティ対応車載器を使い続けることはできるか?

 

A,お客様のETCでの決済情報を保護できなくなる可能性があるため使い続けることはできません。

 

あまりいないとは思いますが、セキュリティ保護が多少甘くてもいいから使用し続けよう!なんてことも出来ないということです。

 

そこで、これを聞いてミニユーザーなら不安になることがあります。

第三世代のルームミラー型ETC搭載車の場合の対処方法です。こちらはディーラーへ確認をしました。

 

2店舗のディーラーに確認した回答としましては、現段階ではこれという対処方法は決まっていないということでした。

当然ながら、他のETC2.0と同様にルームミラー型ETCを解体して、基盤を替えるなどの対処は出来ません。

また、現在取り付けられているものを取り外して、新セキュリティ規格のものを取り付けることも出来ないので、考えられるのはルームミラー型のETC2.0の通信を切断し、今後はルームミラーとして使用していただき、別で新セキュリティ規格のETCを取り付ける方法になるのではないかということでした。

確かに、このまま進めば2030年のことなのでそれまでに乗り換える方も多いと思いますし、明確な回答も未だ出来ないのも当然といえば当然ですね。

 

買い替えが急増するであろう次世代型ETC【ETC2.0】とは?ETC2.0のポテンシャル

現在、ETCは進化をしており、ETC2.0という次世代型のETC端末が存在しているのはご存知ですか?

2016年から本格的に運用されており、5年経過した今でもいまひとつ普及していないのが現状でしたが、利用者は年々増えており、2020年12月段階では、普及率25.0%となっております。

 

とはいえ、ETC1.0(ここでは差別化の為、ETC1.0と記載します)との2020年度の総セットアップ数を比較するとETC1.0は「1億349万台」に比べ、ETC2,0は「799万台」と大きな差があるのが現状です。※ETC総合情報ポータルサイトより

 

その理由として、費用面が大きく影響していると感じました。

ドライな話ですが、端末の販売価格は約2倍違います。どちらも高速道路の利用料金をスムーズなキャッシュレスで支払いが出来るというETCの目的は変わらないのに、2倍の費用を掛けてまでETC2.0を取り付けする理由がないのでしょう。

 

まだまだ、メリットが少ないと思われても仕方がないのですが、ETC2.0は料金収受システムから運転支援システムへと進化しております。ETC2.0にしか適用されないサービスや機能などメリットがありますし、今後実装される可能性のあるサービスなどもありますので、今回のETC問題で買い替えが必要な方はこちらを参考にETC2.0への買い替えを検討してみてください。

 

魅力1「双方向通信」

ETC2.0といえば、「双方向通信」と思う方多いと思います。

ETC2.0を対応のナビやスマートフォンと連動させることにより、全国の高速道路の約1700ヶ所に設置されているITSスポットからデータを受信し、様々な交通情報を受け取り、知らせてくれます。

 

 

例えば、進む道の事故多発地点はもちろんですが、監視カメラやパトロールなどから受けた落下物などの障害物情報、追突事故が多い渋滞末尾情報などをお知らせしてくれて、事故を減らす為のサポートをしてくれます。

また、渋滞回避支援も進化しており、従来のカーナビゲーションで使われてきたVICSビーコンでは最大200kmの交通情報が限界だったのに比べ、ETC2.0に搭載されている「ダイナミックルートガイダンス」機能はITSスポットとの双方向通信で最大1000kmの交通情報を得ることが可能になりました。

それに伴い、目の前の渋滞だけではなく、目的地付近の渋滞情報などが早い段階で知ることができるので、様々な迂回ルートを検索することが可能となります。

 

また、高層道路走行中に地震が発生した際など、災害発生と同時に災害発生状況とあわせて緊急の規制情報や走行可能ルート、避難地情報など様々な支援情報を提供してくれます。

とても混乱し、不安に思うと思いますのが、こちらのサポートがあると少なからず冷静な行動が出来ますね。

 

魅力2「圏央道の割引」

圏央道(茅ヶ崎JCT~海老名JCT、海老名~木更津JCT)、新湘南バイパス(藤沢~茅ヶ崎JCT)の対象区間に限り、約2割の割引が適用となります。

こちらに関しては、個人差がありますが、圏央道をよく利用する方にはかなり大きな恩恵ですね。

 

魅力3「賢い料金(一時退出サービス)」

これは道の駅を利用する場合に限り適用されという制限付きではありますが、道の駅を利用する為の高速道路一時退出が可能になります。

通常は一度高速道路を降りてしまうと、次に利用する際は再度初乗り料金となりますが、条件を満たしていれば、ETC2.0は車両ごとに経路情報を把握している最終目的地まで場合の料金と同料金での利用が可能となります。

条件としては、

①ETC2.0搭載車が対象です。(全行程で同一のETCカードをご利用ください)

②対象のインターチェンジもしくはスマートインターチェンジでの乗り直しかつ順方向の利用のみ料金措置となります。

③対象の道の駅に必ず立ち寄る必要があります。(国道側より道の駅に進入してください)

④対象のインターチェンジもしくはスマートインターチェンジ退出後、3時間以内に同一のインターチェンジから再流入してください。

以上となります。

ただし、現在はまだテスト段階で23ヶ所限定となります。

ETC2.0の普及率が増えた暁には拡大する可能性がありますので、大変魅力的だと思います。

 

今後、実装され可能性のあるサービス

前述した項目の他に、ETCと比較し、大容量となったということもあり、今後の様々なサービスが検討されています。

 

私が個人的に実装して欲しいのは、ガソリンスタンドやパーキングの支払いです。

ガソリンスタンドの支払いはキーホルダー型のスピード決済ツールは各社出していますが、今ではスマートキーが当たり前なので、カバンなどに入れっぱなしにしている時などでも、結局は支払いの際に出す手間があるので、完全な手ぶらで出来たらと便利ですよね。

 

さらに、商業施設などのパーキングも、事前精算を済ませておくと入庫時のナンバーを認証して駐車券を入れずに出庫が出来るところも増えておりますが、その事前精算機が混んでしまっていることが多く、混んでいるからといって、出庫時に支払いを行う方がいれば出庫時も混雑が起こります。

こちらも、ETCで決済が出来ればスムーズな入庫と出庫ができますよね。一部の民間駐車場では既にサービスが行われているところもあるそうですが、まだまだ認知されてないと思います。

これらが実装され、これが当たり前になったら様々な場面でスムーズな支払いが可能となり、混雑の解消にも一役買うのではないでしょうか。

 

あとは、渋滞時に迂回ルートを選択すると優遇される措置がされるなども検討されているようで、迂回することで、高速道路の料金などがお安くなるのであれば、誰にとってもメリットがありますよね。

 

このようなサービスも開始したらもっともっとETC2.0の普及が進み、ETCが単なる料金収受システムから運転支援システムへと皆様の認識も変わっていくはずです。さらなるETC2.0のサービスに期待しましょう。

 

まとめ(個人的な意見)

2022年問題はともかく、2030年問題に該当する方は、すぐに買い替えは必要ないかと思いますが、いざ旧セキュリティ規格が使えなくなり、世間が買い替えを急ぎ「駆け込み買い替え」でカー用品店や電装屋さんが混雑する可能性もあります。

その混雑にのまれないよう、しっかりと準備することをお勧めします。

「壊れてもないのに変えなきゃいけないのか」と思う方もいらっしゃると思いますが、これからの将来より便利に利用できるようにするためにはセキュリティの強化は必要不可欠なので、期待して買い替えをしましょう!

 

ちなみに余談ですが、このブログで69回もETCと打っていました。これで、70回。