MINI BLOG
2015.03.08公開 / 2015.03.09更新
キックダウンコントロール
おととい(3/6)のブログ『元を断たない修理?』の続きです!
H様のミニクーパーの場合、ATのキックダウンコントロールという部品からオイルが漏れていて、その症状の緩和?の為に例の吸収パットが貼り付けられていたようです。
車体にエンジンとATが搭載されている状態では、キックダウンコントロールとそのリンク部をスッキリお見せできないので、今回は他のローバーミニから外したエンジン&ATで説明することにしました。
下の画像はエンジンを後側から見たものです。
上の画像中央のロッド類 (青矢印) がキックダウンコントロールリンケージ! 今回オイル漏れのため交換が必要となった部品は、その末端にあるキックダウンコントロールです。(下の画像赤矢印)
ではキックダウンコントロールリンケージの先端はどこに接続されているのでしょう?
古い設計のローバーミニは電気式ではなく機械式!このリンケージでアクセルを深く踏み込むとキックダウンするようアクセルの動きをATギヤボックス内部に伝えています。ということは接続先はアクセルに連動する所、そうです!スロットルリンケージに接続されているのです!!(下の画像赤矢印)
話しを元に戻しましょう!下の画像の交換したキックダウンコントロールをご覧下さい!!
白矢印の指している箇所が割れているのが分かりますか?この部分はミッションケースにボルト付けする為の穴で、今回はこの部分からオイルが漏れていたのです。
純正部品のボルト穴はプラスチックに穴を開けただけの状態なので、長年ボルトに締め付けられているストレスや劣化で亀裂が入ってくるのだと思います。せめてボルト穴の内側に金属製カラーでも付いていれば・・・ 。
そこで交換部品としてお勧めなのが三和トレーディングから発売されている下の画像の部品!金属製なのでボルト穴も丈夫でシャフトのシールも補強されているのです。
この部品はそのまま使用するとアクセルが重くなってしまうので、一度シャフト頭部のナットを緩め、レバーを分解し、本体とレバーの間にワッシャを1枚入れなければなりません。
純正部品も同様ですがミッションケースに装着する時、二つの注意点があります!下の画像をご覧下さい!!
先ずは一つ目、ミッションケースに開いている2個の小さい穴がキックダウンコントロール固定ボルトのネジ穴です。ネジ山の切ってあるこの穴、見てのとおりミッション内部と貫通していますので、シールを施さないと取付ボルトを伝いオイルが染み出てくるのです。
二つ目は組み間違いに注意です!
下の画像をご覧下さい。これは丁度キックダウンコントロールのミッション内側の様子で、赤丸内と青丸内の部品は巡航走行中にアクセルを深く踏み込み、まさにキックダウンをしようとする直前の状態です。
注意点は赤丸内のキックダウンインナーレバー(銀色)とガバナレバー(茶色)の位置関係です。
アクセルを踏み込むとキックダウンインナーレバーは画像左斜め下方向に動き、ガバナレバーが押され青丸内のガバナスライディングキャリアを画像左斜め下方向に動かします。組み付け時にキックダウンインナーレバーとガバナレバーを逆に組んでしまうと、キックダウンインナーレバーは空振りしたみたいになりキックダウンができなくなってしまうのです。
とまぁそんなこんなで今回H様のミニクーパーは、漏れたオイルの出所のキックダウンコントロールを交換し、晴れて吸収パット不要となったのでした ♪